宗教改革以来、プロテスタントにおける宗教芸術の理解は、聖書に記される神の御心の理解と啓蒙に向けられ、一般には古代の祭儀・芸能的な要素を廃止したかのように言われる。しかしながら職業において表す信仰の営みなど、その範囲はより一般化された社会的な広がりをもって実践されてきたと言え、会衆は祭司として生活に贖いのしるしを求めて礼拝をしてきたと言えよう。これは新しい修道的行為とも思える。
 ここでは近代の会衆讃美のうちに残る、歴史的な生活様式の贖いの経験を取り上げる。その作業として次の2点を挙げる。

 @聖書による救済神話の社会的機能を図式化
 A救済神話を社会に受肉させる素材となった文化的背景の記述

 これらにより会衆讃美について以下のことを明らかにしたい。
・教会において社会的パーソナリティ(文化性)と教会のパーソナ
 リティ(公同性)の垣根を克服する必然性は常に課題となる。
・近代の会衆讃美における、聖書の民の歴史(=イスラエル)の構造化
 の過程は、教派と社会が織りなす共同作業である。
・讃美は世俗化を繰り返しつつも民衆のうちに福音の政治的立場を
 建てていく力となる。主が我らと共に居ますという告白によって、
 讃美の様式は伝道する対象の人々の身体言語に向かって、絶えず
 生きて変化するであろう。




ルターのドイツ・コラール
 と中世歌謡


ジュネーヴ詩篇歌を巡る
16世紀の宗教文化のスケッチ


宗教改革時代の
 讃美歌の楽しみ方


ボストンの
   シンギング・スクール


日本とスコットランド民謡

路傍伝道とバラッド


【資料】聖歌のCD



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