讃美と会衆 路傍伝道とバラッド

●神話の図式化
 19世紀:エンターテイメントとしての改心の告白の場の形成
 歌い手が会衆の思いを体現する演劇空間

例)讃美歌二編183「九十九の羊は」

・個人の改心の告白を重んじる伝統のなかで、歌い手と会衆という
 ヒエラルキーがおもに機能しパーソナリティを獲得している

・教会の伝統的な司祭−会衆というヒエラルキーは崩壊し、福音を
 語る者はすなわち司祭としての身分を語るというエンターテイメ
 ント的な広がりをもっている

●文化的背景
・救世軍のサンキーによる讃美歌で、大衆芸能であるロンドン街頭
 でのバラッド歌いのスタイルを用いている
・19世紀初頭では、ロンドンっ子たちは新しいバラッドが売り出
 されると、人より早くソラで憶えて街角で披露することが自慢で
 あった
・バラッドの内容は、新聞のような時事を物語るものも多くあり、
 事件のあらましを演出もかねて歌いきるのが、古い習慣に生きる
 人々の感得する真実味であった
・19世紀以降のアメリカの伝道集会には、伝道歌手なるゴスペル
 やスピリチャルを専門にする職業がある
・日本ではフォークからラップにいたる系譜が時事を語る大衆芸能
 の流れを汲んでおり、福音の語り部に応用されている






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