●本来はアウトドアで活躍してほしい。。。と言いたいところだが、Palmとてなんでもできる訳ではない。鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス・・・ということで、殺すにはいたらぬし、呑気に成長を待つこともできない、大事な大事なPalmちゃんにベッタリの使い方を考えてみた。何でもやってみたいなら雨のなか風のなか、ええい、持ってけノートPC!!てなわけで、いざ持って出かけてみたものの価格的にPalm機の5〜10倍するノートPCの寿命を縮めるのは偲びない。無理がたたって2週間ドッグ入りの重体(当然中身は再インストール)なんてこともままありますんで。。。だからといって現場で雨宿りのできるところを探して飯場の休憩室で一人こっそり入力・・・なんてのもゾッとしませんしな。ちうことでストレージ系のグルグル回転がない安くて丈夫なPalm機を持って現場へ行ってみよう。 |
●まずメールの送受信ですが、みなさん何使ってます? 施工過程での緊急連絡のため(ちょっと現場の状況を説明して設計変更したい等)、電話で掴まらない客先に連絡をとる便利な方法であります。私はiTAX-IrDAという赤外線モデム(ホタルのように携帯のお尻に付けるやつ)を使ってます。Palmとケータイをつなぐ赤い糸とはこりゃいかに・・・パームを膝にチョコンと乗せて左手のガラガラおもちゃであやす。。。ほりぁボクいい子でしゅねぇ(^_*)\バキッ。。。そんな感じがいとアワレでございます。土木のばやい結構現場が町中でないことって多いんすよね(つまり山。。。)だから繋がるだけで大喜び。ちなみにインターネットメール(私の場合はgoo)でもPalmScapeで送受信できます。添付書類があるということを表示するだけでダウンロードするわけではないので、パーム自身はパニくりません。内容の確認だけならチェックして返答できますぞ。。。そう、通信料さえ気にしなければ。。。\39/ページがネットに羽を生やして飛んでいく様を見るのは精神衛生上非常に悪いです。というわけで、PHSのつながるところはCLIEくんにAir-H"を取り付けて使います。 |
●最大の難関である図面表示はどうかというと、AutoCAD→Acrobat→BMP to Image Viewer→Fire Viewer、という大箱根駅伝でA3図面を150dpiに落して何とかPalmの画面に表示。図面のレイアウトイメージが頭の中に入っていれば、Fax程度の解像度で寸法、注釈などは確認できるので、あくまでも私的な用途であれば部材の配置と寸法の確認などに使える。。。かも。まぁ図面そのものを忘れないことが肝心でしょうが、関わっているプロジェクトについてひとセット揃えておけば便利は便利かも。現場を計りながら何とか視認して紙にスケッチするくらいはできますから。また出張帰りの電車のなかで図面を広げるなんてことのできないときに、どうしても今みたい・・・いま頭を整理してあとはゆっくり巷の露と化したい・・・そんなときの取って置きの内緒の方法でもある。(最近CrucerというDXFを表示できるソフトがβ版で出たので今後かなり期待できそう&ワラをも掴む思い。)
|

Noteの描画

HyperDiaの経路検索 |
●現場には付き物の手書きメモ(刑事コロンボみたいですな)にも色々あるが、気に入ったソフトでカキカキは便利でもコンジット機能のないソフトも少なくない。せっかく芸術点高いスケッチを描いても自分のパームでしか見ることができないなんて。。。そんなことはどうでもいい。地図でも似顔絵でもミミズのヘタレ字でも何でもスクリーンキャプチャして保管してしまおう。私の場合、地図描きに便利なMaxilaris.IncのNoteを使用しつつ、SrcShotでスクリーン画像のキャプチャをしている。手書きソフトのNoteは家とか標識の地図記号の他、日本語のテキスト書込みができる万全の品物。ちなみにSrcShotはHotSync後にキャプチャした画像が自動的にBMPファイルに変換されるスグレモノ。手書きメモに限らずとも、電車の時刻表とか詰め将棋の盤目とか、なごみ系キャラとか、、、などなどGUI環境の麗しいソフトの画面をキャプチャして保存→後でメールするというのもなかなかオツな計らいであろうぞ。BMPファイルながら容量がちっちゃい(通常6.4kB→ハイレゾ51kB)ので迷惑にならないしね。なんだかんだ言って、殴り書きではなく図形的な表現を好むのは設計者のサガというもの。だってそれじゃないと書いた気がしないんですもの〜! |
|
●自分は直接使わないが、土木系のパーム好きが作ったと思われるアプリのリンクです。いずれもPalm-OSデバイスが計算機能を備えた電子野帳として使われる可能性を示しています。(入力する数値を限定してNSBasicでボタン操作するのが流行りのようですね) ともかくここ10年間に急激に土建業界のIT化の波が押し寄せてきまして、これまで印刷したフォーマットに手書きで残していた記録をなんでもかんでもパソコンで整理するような事態になりつつあります。建設CALSなんてものに引っ掛かったものなら、その提出書類のデータ様式まで指定されますから、工事完了間際になって徹夜するよりは早いうちにデータ処理を済ませるのが好いようにも思いまする。実際には処理能力を優先するとノートパソコン、GISや通信手段を考えるとWindowsCE、という選択肢が妥当のようですが、機材や通信インフラの整備に過大なコストをかけずに現場の計測データをデジタル化するという目的は、今のご時世にもう少し見直されてもいいのではないでしょうか。
|
 |
測量用端末 HORIZON for Palm OS
Psoku ピーソク (for Palm)
どちらも測量用の計算ソフトです。測量は土建以外の業界には馴染みのない分野だが、実際に設備を造るときは現地でのミリ単位の測量は欠かせないもの。そして計測データの整理と誤差の確認を現地でできるのは便利かと思う。測量機器に付属する専用の電子制御ソフトは本当に高価だしカスタマイズも不便(多くは英語表示?)なので、ある意味がんばってほしいアプリでもある。とくに測量用語は伝統的に各国の母国語で形成された語彙が多いし、それが測量データの整理にも関係してくるものでもあるので、やはり日本人のアプリ開発者に健闘を願いたい分野なのです。
左図のHrizon for Palm OSはデータ出力をもつ測量機器から直接データのやり取りができるもの。単純な測距の他、計測ポイントのグラフィック表示、曲線設置や横断測量の計算機能など、現地での測点つくりに必要な大方のことはできるようです。Psokuのほうは測量の計算機能に特化したもので、むしろ工事後の成果表の確認を現地で行うのに便利かと思います。 |
|
場所打ち杭(Palm-OS用野帳記録アプリ付)
こちらは専用のパソコンソフトと連動したデータベース入力用アプリとしてPalm-OSデバイスが使われている例です。杭毎の施工成果表を作成するのに使われています。このほかにも掘削時の土質、地下水位、気温などが記録されるのでしょうか。こうしたアプリはアナログ的な建設機械の計測データをデジタル化する際に起こるヒューマンエラーの低減に加え、情報インフラの構築に大きなコストをかけずに済ますアイディアになると思われます。
 |
●GPSというとカーナビだが、GPSは位置情報サービス以外にも山登りの人たちはトレッキング・ルートを記録するのに使われているらしい。数分置きにGPSの座標データをパームに流し込んで、パソコンに吸い取った後、カシミールという電子地図表示ソフトを使うととても見栄えのいい画像ができあがる。(詳しくはココを参照)小型の携帯GPSはGarmin社製のものが乾電池でキビキビ動いていいらしく、パームとはシリアル接続するとデータを流し込める。(詳しくはココ)趣味の面では山登り以外にもバイクのツーリング・ルートの記録などに使えるほか、業務面では環境調査や営業エリアなど位置情報を伴ったデータ収集にも役立つと思う。(この場合はアクティブに繋がなくとも参照してデータベース用のアプリに書き入れることになる)ただし計測精度は15m範囲なので、1/5万程度の地図上ではほぼ問題ないが測量情報の精度には使えない。高度が測れるので市街地のような目印のない山地での位置情報の取得に役立つと思う。 |
●電子野帳ということで思うのが、土建業界をターゲットとして作られた携帯端末を用いたアプリケーションで目立つのは、会計処理をはじめ、資材供給、コスト管理、メンテ情報などの大がかりなデータベースを前提にした数百万円規模のものばかり。しかも初期導入時には機能的に帯に短し襷に長しというのが実際のところ(機器の販売だけでなく、データベースのメンテで商売しようとするのだから当たり前ではあるが)。社員数が50人にも満たない小さな事業所では当然投資の対象から外れる一方で、夜な夜な日報のワープロ打に追われているのが普通ではないだろうか。
もちろん製図一般に関していえばCAD化した設計環境はむしろ修正の容易さから効率の上がったことは否めないが、一般には土建業界でのここ数年のデジタル化の波はかなりの業務負荷になっているように思います。これまで現場で野帳に記載したデータを印刷した書式に書き写してきたことと同じ要領で、パームで適度な入力項目「だけ」を設定し、パソコンの計算・印刷フォームに流し込む方法はできないのでしょうか? しかも安くて簡単な方法で。データベース構築は情報処理の専門用語が多いので土建業界には依然と敷居が高いが、Hotsyncボタンひとつでデータ連携のできるPalm-OSデバイスにはサーバー管理や情報インフラ構築のような専門知識はほとんど要りません。(本当はあったほうがいいのですが外注に出すと高いので…) 世の中難しく考えずに今までやってきた方法をアレンジして考えてみましょう。
パームを使っている人の間では一般にcsvファイル互換のJ-Fileの使われる場合が多い。Acsessで経理や在庫を管理しているところとかは、このほうが仕組みが簡単でいいように思う。製品のカタログスペックをまとめたり、設備のメンテナンス情報などを追加していくのに使っている人もいる。アプリの価格も3000円前後と個人で使う分には安価である。
もう少し本格的なものでは、FileMaker(International Customer Storiesで建設、不動産関連の使用例がみれる)というデータベースソフトは、Windows版が39,800円、Palm-OS版が8,980円/台と少し値段は張るが、これまでにも日報や工程管理のテンプレート(FileMaker用の入力・印刷書式)が数多く出されているのと、パームで連携できるMobile版がある点とが、比較的取り組み易いようになっているかと思います。写真や図面の管理なども含めて、後々の拡張性を考えるとFileMakerのほうがいいかもしれません。
パームに項目を流し込んで使用するときは現場で入力しやすい程度に項目数を整えて使うのがコツでしょうか。(大手のほうだと個々人にノートパソコンを配備してCADやもろもろの情報を全て持ち出す例もありますが…無理ですよねぇ、そんな…) 日報だと前日から引き継いだ工事名、日付、作業人区、作業概要、安全上の取決め、くらいまでは朝の内に入れて置いて、残りは明日の作業予定や段取りした重機・資材等の使用実績を現場で入力すれば、それだけで書類作成の半分以上の作業が削減できます。あとはそのデータをもとに印刷フォーマットに流し込めば事務員でも簡単に処理ができます。まぁほとんどの場合は手帳のメモを元にパソコンに打ち込むことが多いように思いますが、要領を得たらパームを持ち出してどこでも好きなところで入力してHotsyncでデータを流し込んでみると電子手帳の有難味が実感できるかもしれない。あるいは作業毎に野帳記録の項目をパーム用に整備しておくと、あまり手間を掛けずに成果表を現場で作成することも可能なように思う。一般にデータベースは会計処理や伝票作成という事務方の論理で採用されることが多いが、まずは現場での作業効率と原価管理から取り組むことのほうが本来のコスト管理に繋がるように思う。 |
|
●ユビキタス・コンピューティングを考える上で、パームのコンパクトなデータストレージはネットでの運用に非常に適していて、現状での通信速度の高速化から考えると、例えば使用目的に合わせたアプリセットの着せ替えを行うようなことも可能である。外部メモリカードで起動するVMF環境が整えば、Digitalwalletのような小型ストレージデバイスにソフトセットを持ち歩くことも可能だろう。もしかしたら無料FTPスペースで母艦の代わりをすることも可能かもしれない(CLIEくんはパソコンとの回線アクセスができるらしい。またプーマテック社ではSync-itサービス開始しました)。実際には外部メモリ機能によって辞書やゲームセットの提供などが試みられているが、ゲームボーイなどのように発展するかは未知数である。むしろ映画館情報やショッピングなどのレアな情報が現地で得られる室内情報サービスがあるほうが便利であるが、インターネットでのパソコン向け情報が画面の制約上不便であれば
i モード向けのサービスが開放されるかどうかが瀬戸際となる(と言いつつもiモード用サイト専用ブラウザ出ました。北海道NECソフトウェア製「iディスプレイ for PalmOS」)。携帯電話のメモリが情報の使い捨てと通信事業のバックアップを基本としているなら、パームにもそうした選択肢があってしかるべきである。

【iディスプレイ for PalmOSでの表示例】
i モード用サイトの読込みは通常のインターネット・ページに比べ早く読め、なおかつレイアウトに無理がなく視認性は非常によい(hrFontMapperで更に小さく表示する裏技あり)。もともと
i モードのページは5kB程度に抑えてあるのが原則なので、PDAでインターネット情報を得たい場合に小さいキャッシュで小回りが利いて利用しやすいのが実感できた。Yahoo路線検索なども意外に早く表示されたので大満足。ただし辞書や情報などの有料サービスは利用できないのと、セキュリティなどの問題もあって無料のサービスでも通信が蹴られる
i モード・サイトが多かったりする。逆に個人ページは画像が多くてレイアウトが複雑かつ読込み時間が長いなど、ここら辺の事情は
i モード・サイトの汎用性に未成熟なものを感じ取れる。オフィシャルとパーソナルの垣根がないまま同居しているのはどこのネットも同じ感じがするが、
i モード用という隣の庭を覗き見しているような感覚もある。ドコモとプロバイダーの開放路線は今後発展するのだろうか?通信インフラ事業と携帯電話販売との綱引きのなかでかなりのジレンマだと思う。
一方、PDAによるデータの持ち回りには、Yahoo路線情報の例でいくと、時刻表検索ソフトのHyperDiaで数MBのデータベースをPDA本体に抱え込むか、はたまた常日頃通信アダプターを背負うか。。。時刻表の更新などの手続きが不要な点で
i モードでの検索のほうが利便性は高いように思うが、CLIEがもたらす究極の携帯性を考えるとアダプタを常時背負うのはいささか抵抗を感じ悩ましい気もする。しかしながら株価や天気予報のようなレア情報のほかにも、辞書や翻訳サービスなど、プロバイダ側のCGIにデータベースや情報処理を背負わしたサービスを充実するほうが、むやみに高性能を必要とするソフトをPDA上で振り回すことに歯止めが掛かって理に叶っているように思う。とどのつまりこれもPDAとパソコンを連携させるもうひとつの方法になりえるのだろう。あとこれでメモ帳への書き出しができれば最高なのだが。。。よろしくお願いします。
|
●ところでアウトドアとなればPDAを介したコミュニケーションが主体になるように思えるが、パーソナリティの垣根というか、知らせたいことと観られたくないことが同居するのがPDAの実体ではなかろうか。ほとんどはアイディアの備忘録かインターネットの新聞を昼飯を頬ばりながら読むとか、ただただ個人のスキルのために情報を蓄える道具が私のPDAライフである。まあ他人に観られるような公のことはパソコンで改めて打ち込めばいいような気がする。そういえばWordが職場に行き渡った頃、他人がパソコンで読めない文書は文書でないような風潮があった(それ以前にワープロのフォーマットがメーカー毎でことごとく違うという苛立ちもあった)が、今になるとWordを開くたびに他人の顔を思い描きながら文章を打っている自分に嫌気がさすことが時々ある。パソコンで単純なメモというものがリラックスして書けない不自由さを感じていたのである。会議中でもノートパソコンを開いて書記官よろしくの姿勢では、議事で交渉の権限なしという感じがするが、パームくらいの大きさなら相手と目線を会わせてメモをとれる(私の場合、電卓を叩いているほうが多いのだが)。パームにできることはなにかというと、邪魔にならないということと、それでいて十分に高機能であるということ。パームの小さな画面からは自分だけが必要とする思考的空間が立ちのぼってくる。それは誰にも観られる必要のないリラックスした不思議な空間でもあるようだ。
ついでに懺悔いたしますと、ワタクシ予定表なるものを仕事でほとんど利用していません(^_*)\バキッ
というか一日に複数の顧客の間を駆け巡って商談成立というような立場ではなく、自分の手と頭を動かしてナンボの設計業務なので、複数のプロジェクトを安易に口約束すること自体が仕事の質の低下につながると考えています。ヤッツケ仕事でその場は潤っても、提案もフォローもないような仕事では二度と依頼が来ないこともあるので、やはり納得いくかたちでじっくり仕事に取り組みたい。そういう思いが深まるのと反比例して予定表は途端に空虚なものになります。ActionNameなんてみるとカッコイイなと憧れつつも、自分のスタイルには合わない。そのため予定表は日毎の足跡をまとめる日記のようなものになっています。
とはいいつつも、最近公私に渡り忘れ物が多いので1)プライベートはCuteDBookで管理、2)仕事はProgectで管理という使い分けをしております。CuteDBookは可愛いアイコンで月予定表が閲覧できて、見てのとおりグレースケールでも視認性は抜群。細かい設定のない点もいいです。反対にProgectはアウトライン・エディタにtoDoリンク、日付、評価、進捗などを適当に設定できるアプリ(フリーウェア)。納期のタイトな工程の管理や、事情の変化しやすい仕事の評価に威力を発揮します。
【CuteDBook】

と云いつつこんなものを…プライベート用 |
【Progect】

ついにプロジェクトマネージャーまで…もち仕事用 |
|
●アウトドアということで手の平で星の観察などいかがでしょうか…といいつつStella Palmなるソフトを起動してみる。リアリティを旨とするため、あまた広がる星の数々をことごとく表示します。ちなみに図はオリオン座周辺を映してます。空にはこんなに星があったのかとため息の出る想いでございます。ちなみにこれだけの星を見たのは、1)富士山登頂で雲を抜けたあと、2)清里の山道で見た冬の夜空、ぐらいでございます。日本も夜空からみると光っているそうで、星の数と地上の栄華は反比例するようです(このソフトの開発者は光害と規定)。 |
●あまりに申し訳ないので、本当にアウトドアで使いこなしている達人のページをご紹介します。
あとは野となれ山となれ。。。表題の「野にパーム山にパーム」の本歌でした(^_*)\バキッ |